クロの読書録

読書と散歩、ときどき資産運用

名刺代わりの小説10冊

 

今まで、読んだ本の数はわかりますか? 

 

聞いといてなんですが、私はわかりません(笑)

 

大学生の時にエクセルに覚えている限りまとめてみたことがありますが、それも消してしまいました。

読書記録をつけたくて、去年から読書メーターで読んだ本をメモするように。

読んだ本がどんどん溜まっていくのが楽しい。

このブログを書くようになったきっかけです。

 

読書メーターで「名刺代わりの10冊」というコミュニティがあったので、覗いてみました。

やっぱり人によって影響を受ける本は様々。

個性や価値観が滲み出てきて、覗いているのが楽しい。

と、いうことで、やってみようと思います。

 

とりあえず、10冊挙げてみる

 

10冊を選んでみました。

すごく大変。

好きな本、自分の人生に影響を与えた本をざっと挙げてみたところ、35冊くらいがラインナップ。

絞り込むのがとても難しかったです。

読書傾向の幅も見せたいなんて、見栄も入ったりして。

今回は名刺代わりということで、自分に与えた影響の大きさから選んでみました。

考えてみると進路を決めるときや、旅行先など読書によって行動が結構変わっているのが、面白いです。

私の名刺代わりの小説10冊はこのようになりました。

 

それでは、それぞれについて、つらつらと。

 

1.パラサイト・イヴ

 

1995年に発表された、SFホラー小説の傑作です。

ミトコンドリア遺伝子の反乱を描いた理系っぽい作品。

作者は瀬名秀明さん。

執筆当時は東北大学薬学部に在籍中だったことも当時話題になったみたいです。

高校生の時に、この作品を読んだとき、すっかりはまってしまい、夜中まで一気読みしてしまった思い出があります。

私の高校は2年に進級するときに文系クラスと理系クラスに分かれるのですが、この本の影響で、迷わず理系への進学を決めました。 

 

2.深夜特急

 

 沢木耕太郎が書いたノンフィクション。

1986年に1,2巻が、1992年に3巻が発表されています。

バックパッカーのバイブルと言われる本です。

香港からロンドンまでをバスで旅するお話。

これも読んだのは大学生の時。研究室の先輩に勧められて読みました。

この本に影響されて、初めての海外旅行は香港に。

最初は一人で行こうと思っていたのですが、周りの友達に話したら皆で行くことになり、結局6人くらいの大所帯で行くことに。

深夜特急のようなハードボイルドな冒険にはなりませんでしたが、とてもよい思い出です。

旅行中の1,2日は、友達と行動せず1人にさせてもらって、1人で香港の街をぶらついて、プチ沢木耕太郎気分を味わっていました。

旅行で値切って買った、ブルース・リーのTシャツどこいったかな。

 

3.海辺のカフカ

 

村上春樹の小説は全て読んでいるので、1つに絞るのがとても大変でした。

ノルウェイの森世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド、国境の南太陽の西、1Q84。

 

好きな作品はたくさんありますが、旅行のきっかけになったので、ここは海辺のカフカで。

読んだ後、無性にうどんが食べたくなり、香川県へ。

青春18きっぷを使って岩手県から出発したら、片道まる2日かかってしまいました。

楽しい旅行の思い出とともに、大好きな1冊です。

大学の同じ寮の先輩が、ハードカバーの新刊を買ってきたので、先輩より先に読了してしまったのも、よい思い出。

 

4.うわさのズッコケ株式会社

 

小学生、中学生のときは、ズッコケ3人組のシリーズをたくさん読みました。

シリーズは全50冊もあるそうで、30冊以上は読んでいる気がします。

私の読書人生の土台になったシリーズです。

 

今では読んだ内容もうろ覚えのものが大半ですが、この1冊の内容は今も記憶にあります。

イワシ釣りの客に、ズッコケ3人組が弁当を売る株式会社を作る話。

小学生がこんなことをできるんだろうかと、大人の世界を覗いた気持ちになったのを覚えています。

 

5.図書館の魔女

 

ここ5年で読んだ本の中で、一番印象に残っている本です。

10年後に私の名刺代わりの10冊を考えたときにも、ラインナップするだろう本です。

きっかけは、盛岡駅のさわや書店。

さわや書店はポップがたくさんあって、書店員さんの熱量を感じられるので前から大好きな本屋さんです。

2018年のさわやベスト文庫版1位がこの本でした。

 

舞台は中世ヨーロッパの世界感。

キリヒトという少年が、世界最古の塔にすむ図書館の魔女マツリカと出会う物語。

マツリカは言葉が不自由ながらも、言葉のみを武器に世界と渡り合う。

 

この本は全4巻なのですが、1巻目の半分までを読むのが少しつらい。

2巻まで進むとページを繰る手がとめられなくなり、4巻まで一気読みしてしまいました。

読み終わった後のすごいものを読んだ感覚で、しばらく呆然としました。

強烈に印象に残る読書体験です。

 

言葉の力の大きさを感じられる、とてもよい作品なので、とてもおすすめです。

 出会わせてくれた、さわや書店さんに感謝しています。

 

6.神様のカルテ

 

涙を流したいときに、是非おすすめの一冊です。

過去記事でも紹介しています。 

ninappe.hatenablog.com

 

主人公の内科医、一止の誠実さが心に染みます。

周りの人も温かく 、清々しい読後感です。

最近のコロナでも思いましたが、医療従事者の方は本当に大変そう。

改めて感謝したいと思わせる一冊です。

 

7.白夜行

 

東野圭吾の小説は、出版された7割くらいの作品を読んでいると思います。

たくさんよい作品があるので、何が一番印象に残っているだろうと思い返しましたが、「白夜行」と「幻夜」のインパクトが一番でした。

読んだ後、明るい気分になる作品ではないのですが、なにか大きなものを感じる作品です。

少し太宰治人間失格の読後感とも似ている気がします。

 

東野圭吾作品は、ガリレオシリーズだと「容疑者Xの献身」、加賀恭一郎シリーズだと「卒業」が印象に残っています。

「トキオ」「パラレルワールド・ラブストーリー」なんかも好きです。

はずれがなくて安心して読めるのが、助かります。

 

8.模倣犯

 

宮部みゆきの小説も、たくさんあって、迷いました。

その中でも高校生の時に読んだ「模倣犯」のインパクトが強い。

世の中、絶対にわかり会えない悪い人間がいるかもしれないと思うと、背筋が凍る思いがしたのを覚えています。

高校生くらいに読んだ本は、自分の価値観の形成に大きな影響を与えている気がする。

ハードカバーで読んだのですが、分厚い上下巻で1ページが2段に分かれていて、結構なボリュームだったのも覚えています。

ボリュームのある本は、読みきったときの充実感で、すごく満足があります。

最近読んだ「ソロモンの偽証」もとても良かったです。

初期の「龍は眠る」「レベル7」「火車」「魔術はささやく」も面白かった記憶がありますが、内容は忘れているので、再読も楽しそうですね。

 
9.りゅうおうのおしごと!

 

高校生の若き竜王に、天才小学生が弟子入する将棋ラノベ

とにかく将棋にかける熱量がすごい。

最近一番ハマっているシリーズです。

プロ棋士女流棋士の違い、奨励会とはなにかなど、将棋の世界のトリビアがわかって楽しい。

最近の藤井7段の活躍ぶりも、将棋の知識が増えることで、より楽しく追いかけられます。

ラノベなので、読みやすく、ロリロリしていたり、姉弟子との恋愛要素などが、苦手な方もいるかもしれません。

私は大好きですが。

ラノベ好きも、好きではない人も、万人におすすめできる作品です。

 

将棋といえば、漫画の「3月のライオン」も大好きです。

内容はもちろん、プロ棋士先崎学さんのコラムも面白い。

早く新刊でないかなぁ。

3月のライオンでも、将棋知識が増えて楽しかったのが、りゅうおうのおしごと!でより加速しました。

小説は文字で背景を説明するので、情報量が多いですよね。

 

そういえば、職場に元奨励会の後輩がいます。

物静かで、堅実な仕事ぶりで、とても優秀な子なのですが、勝負の世界に生きていた人と思うと、尊敬します。

たまに小説で仕入れた将棋の話題を彼と話すのも、最近の楽しみのひとつです。

 

10.池袋ウエストゲートパーク

 

長瀬智也さん主演でドラマ化もされた、石田衣良さんの大人気シリーズ。

20年ほど前にカラーギャングが社会現象になったのを覚えています。

池袋を舞台にアンダーグラウンドな話題を扱う、現代の冒険譚。

当時から新刊が出るたびに、読んでいます。

 

常にその時代の新しい話題を取り込んで扱っているのが、すごい。

小説の中で、主人公も少しずつ年をとっては行っているのですが、なにしろ20年も続いているので、主人公の年齢がいくつなのか時空のゆがみを感じます。

似ても似つかないお話ですが、少しサザエさん的(笑)

 

石田衣良さんの作品も読みやすいので、ちょくちょく読んでいます。

娼年」「秋葉原@DEEP」「波のうえの魔術師」がお気に入りです。

 

 

最後に

 

10冊に絞り込むのが大変でした。

後ろの4作品は体調と気分によって、変わる気がします。

自分の人生が本によって変わっているのがわかって面白い発見でした。

本好きの方にはおすすめです。

 

惜しくも落選したものも、メモとして残しておきます。

読んで印象に残った小説を見ていると、本当に名刺みたいだなと思います。

自分をさらけ出すようで、少し恥ずかしい。

 

  1. ノルウェイの森
  2. 新宿鮫シリーズ
  3. 獣の奏者
  4. 風が強く吹いている
  5. 死神の精度
  6. 恋文の技術
  7. すべてがFになる
  8. 東京バンドワゴンシリーズ
  9. 国境の南、太陽の西
  10. 海辺のカフカ
  11. 活版印刷日月堂
  12. ビブリア古書堂の事件手帖
  13. 君の膵臓をたべたい
  14. 1Q84
  15. 幻夜
  16. 模倣犯
  17. ソロモンの偽証