クロの読書録

読書と散歩、ときどき資産運用

【感想】書籍「すいません、ほぼ日の経営」 〜最近の糸井重里さんはこんなことをやっていたのか〜

 

こんにちはー。

 

今日は書籍「すいません、ほぼ日の経営」の感想記事を書いてみます。

 

図書館でなんとなく、ジャケ借りしたのですが、期待よりも面白い本だったので、感想を書いてみます。

 

コピーライター糸井重里さんの最近の活動を知りたい人、

会社を作って上場する体験記を読みたい人、

ほぼ日手帳ほぼ日刊イトイ新聞のファン、には面白い本だと思います。

 

それでは、つらつらと。

 

 

 

はじめに

 

この本は、コピーライターとして有名な糸井重里さんへのインタビューを本にしたもの。

インタビュー内容は糸井重里さんが経営する株式会社「ほぼ日」についてです。

インタビュアーはなんだかバリバリのジャーナリストっぽい川島さんという女性。

 

糸井重里さんが語る、株式会社ほぼ日という会社がとても魅力的です。

 

応援のために、株を買ってみようかなという気持ちにもなりました。

(まだ、買ってはいませんが。)

 

書籍「すいません、ほぼ日の経営」ってなんの本?

 

ほぼ日刊イトイ新聞」の名前は以前から知っていたのですが、そこから会社になってジャスダック市場に上場していることを、この本を読んで初めて知りました。

 

 昔よくテレビで見かけていた糸井重里

売れっ子のコピーライターという漠然としたイメージしかありませんでした。

 

ほぼ日手帳の特集を雑誌で見かけたことがあるなぁ。マザー2好きだったなぁ。というのが私の知っている全てと言っても過言ではありません。

 

書籍「すいません、ほぼ日の経営」は、

事業、人、組織、上場、社長の5つの章に分かれていて、

ほぼ日という会社について、仕事への取り組みについて語られています。

 

 一般的な上場企業とは一線を画す考え方や仕事への取り組み方に、こんな会社があるのかと、とても驚きました。

 

なぜだかはわからないけれど、読んでいるうちに不思議と感動している自分がいました。

  

コピーライターとしてのこだわり

 

語っている糸井重里さんの言葉の端々から、コピーライターとしての言葉へのこだわりが伝わってきます。

 

顧客や社員、株主などへ、やりたいことを伝えるために、言葉が持つ大きな力を使っているように感じます。

 

たとえば、

・ほぼ日が主催する雑貨展のタイトルは「生活のたのしみ展」

・オンライン学校である「ほぼ日の学校」のキャッチフレーズは「ごくごく飲む古典」

・ほぼ日の行動指針は「やさしく、つよく、おもしろく。」

 

参加する人や社員、株主など、多くの人にビジョンやイメージを共有するための言葉をすごく大事にしています。

 

ジャスダック市場に上場する際の申請書も、ひな形どおりだとつまらないので、自分たちの言葉で表現できないか、ひとつひとつ考えていったそうです。

糸井重里の言葉を武器に歩んできた道を、改めて感じました。

 

私は、コピーライターではないですが、仕事をする上で言葉にすること、文章で伝えることは凄く大事なことだと最近実感しています。

 

言葉を扱うプロであるコピーライターは経営者としても強くなるポテンシャルがあるのかなと思いました。

 

働き方改革、人事の話

 

本の中で、ほぼ日が行うユニークな働き方改革や、採用・評価などの人事の話が出てきます。

ほぼ日の働き方改革は、1時間勤務時間を短くして、ベースの給料をアップ。

これだけ見ると生産性を求めているのだと最初は思いましたが、求めているのは単純な作業量を増やす生産性の向上ではなく 、質のいいアイディアを出すために「もっといいアイディアがあるのでは」と問い続けることに重点を置いているとのこと。

クリエイティブを重視する企業として、筋が通っている気がします。

 

人の採用では「いい人募集」と呼びかけています。

「いい人」という言葉に現れているように、学力ではない、この人と働きたいと周りが思う人を採用しているよう。

言葉のパワーと一貫した信念を感じます。

 

人事評価では、かっちりした制度に基づいた制度ではなく、関係者が何度も話し合いを重ねて、その結果を丁寧にフィードバックしていく。

これは、点数方式で決められた人事評価をするよりも、とても手間がかかるやり方だと思うし、それだけ人を重視しているのが見えてきます。

これは、儲かるシステムを作るのではなく、クリエイティブな集団であるために大事なことで、凄く難しいレベルの高いことをしていると思いました。

 

上場や社長としての話

 

インタビュアーも質問していたが、 ほぼ日という会社にとって、上場は必ずしもメリットにならないのではないか、というのは読んでいて私も疑問に思ったことのひとつでした。

本の中で糸井さんがひとつひとつ丁寧に答えてくれているのは、ほぼ日が上場したのは企業としての規模や利益の拡大を目指してでのことではないこと。

「子供の自由からの脱却」をして、試される場に身を置くためであり、人が喜んでくれるものを新しく生み出すため。

会社がやるべきこと、上場することの意味を一般的な常識からではなく、目的や本質を自分たちの頭でよく考えて決断していることに感動さえ覚えました。

 

そして、糸井重里という個人がとても有名なクリエイターなだけに、ワンマンな会社を想像するが、一冊を通してトップダウンを行うことはなく、社員が成長すること、社員が自分で考えて動けるようにすることを重視していることがわかります。

フリーランスとしてではなく、会社を作ったことの意味を考えて、一貫して貫いている姿勢なのかなと感じました。

それでもやっぱり、株式会社ほぼ日は創業者である糸井重里の存在は大きいだろうし、糸井さんが引退する際には、大きく試されることになるんだろうと思います。

それも含めて、これからも同行を追いかけてみたくなりました。

同じことを考えて、株を買う人もいるんだろうな。

 

最後に

 

一冊を通じて、ほぼ日という会社のファンになりました。

ほぼ日刊イトイ新聞はちょくちょくチェックするようになるだろうし、手帳もそのうち買っちゃいそう(笑)

サイトを見ていたら昔少しやったゲームの「Mother」のプロジェクトをやっていたりして、魅力的なコンテンツがたくさんある。

散財しすぎないようには気をつけなくては。

四季報で見てみるとコロナ禍の影響で、主要事業のほぼ日手帳の売上が芳しく無く、苦戦しているように見えます。

頑張れ、ほぼ日。

やっぱり小説以外も読んでみると、色々と考えることがあって楽しいですね。

そして、ブログに書いてみると、より深く読書ができて嬉しいです。