クロの読書録

読書と散歩、ときどき資産運用

2020年上半期に読んだ小説5選

 

新年度からコロナ禍で生活が一変した2020年。

大きな出来事があると、それ以前の印象が薄くなってしまっていますが、

読書記録を見返すと、その頃の記憶が蘇ってくるので、楽しいです。

 

はてなブログ今週のお題「2020年上半期」で書いてみることにします。

2020年の上半期は小説を中心に89冊読んでいました。

昨年から読書欲が高まってきて、自分の中では結構読んでいるほうです。

印象に残った小説5冊を振り返ります。

気が向いたら小説以外もやろうかなー

 

  

2020年上半期に読んだ小説5選 

 

かがみの孤城

 

今年の初読みは辻村深月さんのこの本でした。

最近は本を買うと置き場所に困ってしまうので、Kindleか図書館が主なのですが、実家に帰ると最近リタイアした父親が読書をしているようで、最新の話題作を読むことができるので、帰省が楽しみになっています。

昨年、「スロウハイツの神様」を読んでから、辻村深月さんの作品を通し読みしていたので、正月の課題図書はこの一冊で決まりでした。

部屋の鏡から繋がる不思議なお城には、学校へ行けなくなった7人の中学生が集められます。孤城のどこかにある「願いの部屋」を開ける鍵を見つけた一人だけ、願いを叶えることができる。それぞれに悩みを抱えた7人がお城で一緒に過ごすうちに、成長していくお話です。

集まった7人が同じ中学校にいるはずなのに、会えないトリックの部分は途中で読んでいて気づきましたが、ネタバレはこの本の面白さには関係ない。

主人公の気持ちの動きやそれぞれが触れ合うことで7人が成長していく姿に一気読みでした。 

かがみの孤城

かがみの孤城

 

 

 

活版印刷日月堂

 

川越にある小さな活版印刷所を通じて、紡がれるお話。

活字を一つ一つ拾って組版し、印刷する活版印刷。昔の人が地道にやっていたことに敬意を覚えます。

川越に戻った女性が活版印刷日月堂を復活させたり、他の印刷所から協力を得て大型機械を動かせるようになったり、少しずつ人を雇うことになったり。

温かみのある活版印刷を通じて人と人とが繋がっていくのに、胸がじんわり温かくなります。

短編集なのですが、三日月堂店主の一人称ではなく、周りの関わる人の目線で物語が語られて行くのが新鮮です。

4巻目の最終話にやっと主人公の一人称が描かれるのが、ファンとしては嬉しい。 

上半期に1巻から4巻のシリーズ一旦完結まで読了しましたが、もう少し続編が続いているようで楽しみです。

個人的に思い入れのある盛岡も出てきて、大好きなシリーズになりました。

 

([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫)

([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫)

 

 

りゅうおうのおしごと!

 

16歳にして 将棋界最強の竜王のもとに、詰将棋の天才的な小学生が弟子入り。

厳しい勝負の世界で、小学生とロリロリしながら、強くなっていくお話。

とにかく熱い。将棋に掛ける人たちの思いが熱量になって迫ってきます。

プロ棋士順位戦や、女流棋士奨励会など、読んでいくうちに業界の専門的なことも自然と理解できるようになるので、最近の藤井聡太さんの活躍するニュースを見るのが楽しくなってきます。職場に元奨励会の後輩くんがいるので、奨励会の過酷さを知るたびに、尊敬の念が増して行きます。

一手損角換わりって響きが格好いいですよね。

上半期は1巻から10巻まで一気読みしてしまいました。

これから奨励会の3段リーグが描かれるので、より手に汗握りながら追っかけることになると思います。

分類的にはラノベになると思いますが、どんな人にもおすすめできる作品です。

 

りゅうおうのおしごと!」はこちらにも記事を書いています。

こちらも是非覗いてみてください。 

ninappe.hatenablog.com

 

 

 

風が強く吹いている

 

ほとんど駅伝素人の集団が、箱根駅伝を目指すお話。

作者の三浦しをんさんは、今まで読む作品すべて面白かったですが、この作品はその中でも1、2を争う作品です。自分の中では「舟を編む」とツートップの作品になりました。

主人公は走ることが好きなのに陸上のエリート校で馴染めず、大学では陸上は無名の大学に進学しました。出来心で万引し、逃げているところで、その走りを見ていたハイジに誘われボロい学生寮に住むことに・・・・・・

皆の胃袋を掴んだハイジの策略により、学生寮に住む10人で箱根駅伝を目指すことに なります。

後半はレースの疾走感そのままに物語が展開され、本を繰る手が止められませんでした。

職場へ向かう途中歩きながら読んでいたら(危ないのでやめましょう(^_^;))、読んでいる姿を同僚に目撃されてしまい、二宮金次郎と言われてしまいました。

お恥ずかしい限りです。

 

風が強く吹いている

風が強く吹いている

 

  

サクリファイス

 

近藤史恵さんの自転車レースシリーズ第1作。

主人公はチームのエースではなく、アシストに徹するクライマー。

自転車レースの戦略性、決してみんながエースでは勝てない特殊性が読んでいると理解できて面白い。

ツールに挑む自転車乗りを見ていると、なんだか人生や社会に通じるものがあって、哲学的なようにも感じます。

シリーズはサクリファイス、エデン、サヴァイブ、キアズマ、スティグマータと続き、2020年上半期で面白くて一気読み。

この第1作はミステリ要素もかなりあり、一つの行動の意味が2転、3転することが面白いです。

2作目からはミステリ要素は少し減りますが、私はミステリ的な楽しみ方よりも、自転車レーサーの生き方を体験するのが本当に楽しかったです。

スティグマータの出版は2016年6月。新作はもう出ないかなぁ。出てほしいなぁ。

 

 

サクリファイス(新潮文庫)

サクリファイス(新潮文庫)

 

 

スティグマータ (新潮文庫)

スティグマータ (新潮文庫)

 

 

 さいごに

 

学生の頃から小説を読むのは大好きでした。

働くようになってからは読書量が少しずつ減っていたのですが、

2019年頃から、また読書熱が再燃してきました。

 

やっぱり小説を読むのは楽しいですね。

 

りゅうおうのおしごと!」シリーズや「サクリファイス」シリーズは、今まで読んできて好きな本トップ10に入るくらい、楽しい読書体験になりました。

 

名刺代わりの10冊をまとめました。

こちらも是非覗いてください。 

ninappe.hatenablog.com

 

 

下半期もたくさん読んで、楽しんで行きたいと思います。

 

今日挙げた本はすべてオススメなので、読んでくれた方の本選びの参考になったら、嬉しいです。

 

それでは またー